GREETINGS! サリュテーション・コンソーシアム・ニュースレター 1999年5月 |
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サリュテーション搭載製品、続々と発売
サービス・ディスカバリの概念と必要条件がマスコミの注目を集める中、Jiniが登場、ユニバーサル・プラグアンドプレイも姿を見せ始め、「シンプル・サービス・ディスカバリ・プロトコル」が発表されました ―― 一方、ますます多くのサリュテーション搭載製品が出荷されています。4月には、キャノン、IBM、ムラテック、リコー各社のデバイスや製品も米国市場向けに発表されました。
現実に注目!
自社開発のサービス・ディスカバリ・プロトコルが続々と登場し、生産に移行しようとする間にも、プロトコルやオペレーティング・システムを選ばないサリュテーション・アーキテクチャは利用されています。
新しいサービス・ディスカバリ・プロトコルの支持者がマスコミで製品の比較論争を繰り広げている間にも、サリュテーション・コンソーシアムの会員は、すでに2年間も技術を市場化しています。
新たな参入企業の間でJava実装とIP実装の価値が論議されている間にも、サリュテーションは実装テクノロジーに関係なく、IP、IR、ワイヤレス・プロトコルに対応しています。
そして、ツールや製品について将来の競争が憶測される間にも、サリュテーション会員はさまざまなサリュテーション・ツールキット、Windowsデスクトップ・イネーブラ、それを利用するデバイスやサービスを生産し続けています。
みんながまだ考えている間にも、サリュテーションはどんどん普及しているのです。
サリュテーション・コンソーシアムのアーキテクチャが米国デビュー
情報シェアリングを目的としたサリュテーション・コンソーシアムのアーキテクチャは、4月、米国ジョージア州アトランタで開かれたAIIMカンファレンスで大きな反響を呼びました。IBMはLotus
Notesをベースとしたオフィス・システム「NuOffice」を6月には北米で発売すると発表し、キャノン、ムラテック、リコーの3社は、サリュテーション対応の多機能機器を出荷してNuOfficeをサポートすると表明したのです。NuOfficeと対応機器は、コンソーシアムの情報シェアリング・テクノロジーを採用した米国発の主要製品となります。
コンソーシアムのマネージング・ディレクターであるロバート
F. ペコラ(Robert
F. Pecora)氏の言葉を借りれば、サリュテーション・コンソーシアムが提供する情報シェアリング・テクノロジーはオフィス機器から(そしてオフィス機器へ)のデータ転送を容易にするものです。サリュテーション・テクノロジーを採用した製品は、多くのモバイル・ユーザーやテレコミューティング・ユーザーを抱えるオフィスで威力を発揮します。
Lotus
Notesへのサリュテーション拡張を含むNuOfficeオフィス・システムを使えば、ユーザーはデバイス・ドライバやディレクトリを心配することなく印刷、スキャン、ファクスや電子メールの送受信が可能です。また、各製品は一体となって、スキャニング、文書管理、電子メール、メッセージング、ファクス、そして分散印刷が可能な統合システムを構成しています。NuOfficeは、コンソーシアムの情報シェアリング・テクノロジーを採用した米国発の主要ソフトウェア・アプリケーションです。
発表された製品は以下のとおりです:
IBM
NuOfficeオフィス・システム・ソフトウェア
リコーAficio
350/450デジタル・イメージング・システムおよびAPシリーズのデジタル・プリンタ
村田機械(ムラテック)サリュテーション・ファクス・サーバー・システム(F-120ファクス・サーバー、SM-100サーバー・ソフトウェアを含む)
オフィス機器用フューチャー・キャノン・イメージ・テクノロジー(IP)プラットフォーム
NuOfficeソフトウェアおよび対応機器は、サリュテーション・アーキテクチャ、すなわちインターネットまたは企業イントラネットを通じて機器を発見、制御するオープン・ミドルウェア・テクノロジーをベースとしています。サリュテーションは、機器を発見したあとデバイス・ドライバを接続し、機器とその機能を最大限に利用できるようにします。
ペコラ氏は、次のように述べています。「サリュテーションは、新しい情報レベル、そして機器共有テクノロジーによってネットワーク・ユーザーを支援する製品を生み出す道を開きます。北米や日本の大手メーカーは、サービス・ディスカバリおよびサービス管理に対するサリュテーションのオープン・システム方式を支援しています。サリュテーション採用製品は、一部の市場では1年以上前から出回っており、ツールや開発支援は急速にその数を増しています。Windowsベースの「Port-of-Entry」ツールを使えば、デスクトップ・ユーザーは既存の周辺機器に対してもサリュテーション
サービス・ディスカバリを利用できるため、今すぐにでも新しいアプリケーションを開発する利点は大いにあります。」
NuOfficeは、日本ではすでに人気製品であり、キャノン、フジゼロックス、日立西部ソフトウェア、三田工業、ムラテック、リコー、ソニーの各社が対応周辺機器を販売しています。フジゼロックスは、NuOffice関連の市場が勢いづいたのに従って、ネットワーク・オフィス・オートメーション設備の企業標準としてもサリュテーション・アーキテクチャを採用しました。ペコラ氏は、「サービス・ディスカバリや情報管理に対する各社独自のソリューションがやっと生産段階に入って来た一方で、サリュテーション対応製品はますます普及を続けています」と述べています。
キャノン、IBM、ムラテック、リコーがサリュテーション搭載製品の米国市場出荷を発表してから1か月しか過ぎていません。にもかかわらず、この発表の影響はすでに現れています。第1の影響は、サリュテーションのウェブサイトの訪問者が急増したことです。発表のあった週には、それまでのどの7日間をとったよりも2倍の訪問者があり、1999年4月の訪問者数は史上最高を記録しました。同時に、サリュテーション仕様をダウンロードした人数も記録的な数になりました。これらの増加傾向は発表の日に始まり、以後4月いっぱい平常より高いレベルを保ちました。個人個人が支えとなってサリュテーションへの関心が高まり、サリュテーションの進歩に同調した企業、そして主要なサリュテーション搭載製品およびソリューションが1999年内に米国市場に投入されることに注目する企業も増えています。
AIIMカンファレンスにおける発表
AIIMカンファレンスの歓迎の辞で述べられたように、情報管理の様相は急激に変化しつつあります。企業が1つのテクノロジー・ベースから企業内で多数のテクノロジーを統合する形へと移行するのにつれて、時代はソリューション・サイロからソリューション・スイートへと移りつつあります。だからこそ、キャノン、IBM、リコー、ムラテックは自社のサリュテーション対応製品をAIIMカンファレンスに合わせて発表したがったのではないでしょうか。IBM
NuOfficeおよびLotus
Notes Dominoソリューション・スイートは、各企業にとってキャノン、リコー、ムラテックなどの新たな情報管理テクノロジーに移行し、それらを統合するのに必要なフレームワークを提供します。サリュテーション・アーキテクチャを実装すれば、これらの企業が発表したすべての機器が必要な相互動作性を発揮し、移行、統合、そしてエンド・ユーザーによる利用が簡便になります。
キャノン・イメージ・テクノロジー・プラットフォームのデモ
米国キャノンのコピー機およびネットワーク・オフィス・システム担当アシスタント・ディレクターであるデニース・アモロサノ(Dennis Amorosano)氏は、次のように述べています。「AIIMカンファレンスおよび展示会で先行公開したキャノンのIPテクノロジーには、サリュテーション・アーキテクチャの組込みバージョンが含まれており、IBM NuOfficeおよびLotus Notes Dominoのデモにおける注目の的でした。新興の業界標準に対応しようというキャノンの意志はサリュテーション搭載のIPテクノロジーに体現されており、NuOfficeおよびLotus Notesと組み合わせていただくことにより、変化の激しい情報アクセスと情報シェアリングのニーズに対応できる総合的なオフィス・ソリューションをユーザーの皆さまにお届けします。」
新たなデジタル・ソリューションへの要望
AIIMでキャノンのデモを見たある大手メーカーの幹部は、今使っているアナログ機器を、どのぐらい早くサリュテーション搭載デジタル機器に換えることができるかを知りたがりました。この新しいソリューションによって、会社のエンド・ユーザーやネットワーク管理者が多数の恩恵をこうむることがわかったからです。
サリュテーション・シナリオ
「Nu」デバイスの使用
社内メールで、会社が新しい装置を購入したという連絡が届きました。リコーのAficio
450デジタル・イメージング機器類は5-7階、ムラテックのF-120ファクス・サーバーは3-5階に設置されたとのことです。キャノンの他製品もまもなく導入されます。
「すごい」とあなたは思うでしょう。「だけど、IT部がこのオフィスに来て新機器向けのデバイス・ドライバをロードしてくれるのを待たないといけない。何週間もかかるんだろうなあ!」
そのとき、Lotus
Notesの受信箱の異変に気づきました。サプライヤからのファクスが届いていると表示されています。「受信箱にファクスだって?これは珍しい!」と、あなたは息を呑みました。「どうやってここへ着いたんだろう?」普通なら、ファクスは事務アシスタントのところにあるファクス機へとりに行くものだからです。
受信箱の項目をクリックすると、イメージ文書が開き、ファクス・メッセージが表示されました。
「電子メールを転送できるなら、この新しいファクスも転送できるのかな?」とあなたは考え、やってみることにします。ファクス・メッセージを隣のオフィスにいるドリスに転送すると、送信されました。そこで彼女のオフィスへ行って、うまく着いているか確かめることにしました。
もちろん、同僚のドリスは転送されたメッセージを受け取っています。「どうしてこんなことが起こったんだ?」と、あなたは尋ねました。
ドリスの説明によれば、会社が導入したNotes用NuOfficeは到着するすべてのファクス情報について、受信通知、到着ルーティング、読み取り確認の各サリュテーション・アーキテクチャ機能をサポートしているとのことでした。「ムラテックのF-120と併用すれば、オフィスでも家でも車の中でも関係ありません。ログインするとNuOfficeがあなたのユーザーIDとパスワードを認識して、最後にログオフしたとき以降に来たファクスがあれば通知してくれます」と、ドリスは言いました。
彼女は続けます。「もうおわかりでしょうが、NuOfficeを使えばメッセージをどんな電子メール・アドレスへも転送できます。電子メール・アドレスだけでなく、LANプリンタや家にある自分のプリンタへも転送できます。そしてメッセージを受け取ったら、NuOfficeが送信元のファクス機へのコールバックによって送信者へ読み取り確認を送ります。」
「次にはいったい何が起こるんだろう!」と、あなたは感嘆します。
「そこの新しいリコーの機器を使えば、もう印刷できますよ」と、ドリスは言いました。
「でも、こっちのマシンにはまだインストールしてくれていないし、どうやったらいいかわからない」と、あなたは言います。
「心配して待っている必要はありません。NuOfficeにはリコーのドライバを自動的にインストールする機能がありますから、すぐに作業を始められるのです。お見せしましょう」と、ドリスは立ち上がりました。
ドリスは、あなたが転送したファクスを印刷にかかりました。Lotus
Notesのプリンタ選択メニューが現れます。新しい選択オプションは、新しいリコーのAficio機器2台に対して1つずつあります。ドリスはあなたのいる階にある機器を選択し、印刷が始まりました。
あなたは本当に驚いてしまいましたが、ドリスはまだ先があると言います。彼女は、Lotus
Notesのインターフェースを使って、リコー機にインストールされた機能を確認する方法を示しました。NuOffice製品の基礎となるサリュテーション・アーキテクチャのおかげで、企業ネットワークに接続された機器の機能を一覧できるのです。サリュテーション搭載のキャノン製品を新しくインストールすれば、同様にしてその機能も見えます。それはまるで、マシンの機能を紹介するオンライン・パンフレットが備わっているかのようでした。
「ほかに何かお知りになりたいことはありますか?」と、ドリスは尋ねました。
「いや、全くすごいよ」と、あなたはドリスに言ってから、独り言を言いました。「だけど、どうしてぼくが知る前に、彼女が知っているんだろう?」
IBM
、サリュテーションを搭載したLotus Notes Domino用NuOfficeオフィス・システム・ソフトウェアの出荷を発表IBMは、Lotus
Notes Dominoをベースとし、オフィス機器から(そしてオフィス機器への)データ転送を容易にするネットワーク・オフィス・システムNuOfficeの米国出荷を発表しました。NuOfficeおよび対応周辺機器は、サリュテーション・アーキテクチャ、すなわちインターネットまたは企業イントラネットを通じて機器を発見、制御するオープン・ミドルウェア・テクノロジーをベースとしています。サリュテーションは、機器を発見したあとデバイス・ドライバを接続し、機器とその機能を最大限に利用できるようにします。
NuOfficeによって、Lotus
Notesのユーザーは、どのサリュテーション対応周辺機器でも情報を印刷、ファクス、スキャンすることができます。そして、ソフトウェアは自動的に設定を感知して必要なドライバをロードします。NuOffice周辺機器は、Lotus
Notes Dominoサーバーにローカルでもリモートでも接続することが可能です。
IBMのパーベイシブ・コンピューティング担当ジェネラル・マネージャであるマーク・ブレグマン(Mark
Bregman)氏は、次のように述べています。「NuOfficeは、大企業のオフィスやワークグループにおいて、普通のオフィス機器をネットワーク化したインテリジェント機器に変える理想的なソリューションです。また今日の発表は、サリュテーション・アーキテクチャを強く支持するものでもあります。このオープン標準が普及すれば、NuOfficeがアクセスできる機器の数も増えていくでしょう。」
NuOfficeを使用していれば、スキャンした文書をファクス機やコピー機から直接電子メールで送信したり、Notes
DataBaseに文書を直接スキャンで取り込んだりできます。そして、スキャンしたイメージをそこから転送することも可能です。さらに、OCRなどのようにアプリケーション処理への入力も行います。受信したファクスやスキャンしたイメージは、個人の受信箱や特定のデータベースに保存できるため、モバイル・ワーカーもオフィスと情報を共有することが可能です。また印刷する場合は、NuOfficeを使って印刷機器の機能、オプション、空き状態を簡単に確認することができます。
その上NuOfficeは、ネットワーク上でアップグレード、再設定、機器の取り外しを自動的に管理します。NuOfficeは、ローカルでもリモートでもサリュテーション機器を発見できるのです。機器がNuOfficeを十分に活用できるのは、LAN、WANまたはインターネットを通じてNuOfficeサーバーに接続できる場合です。この場合、NuOfficeはサリュテーション搭載機器とNotes DataBaseの間のインターフェースとなります。したがって、ネットワーク周辺機器とNotes
DataBaseの内容をモニタする既存の縦型アプリケーションが容易に統合できることになります。
IBMのNuOfficeは、1999年6月に出荷を開始します。リコーの新たな対応製品には、Aficio 350/450デジタル・イメージング・システム、APシリーズのデジタル白黒プリンタおよびカラー・プリンタがあります。リコー/IBMのNuOffice対応製品は、1999年第3四半期前半に出荷を開始します。キャノンは、サリュテーション・アーキテクチャを搭載したイメージ・プラットフォーム(IP)機器を、そしてIBMはNuOfficeソフトウェアを同年第4四半期に出荷予定です。また、村田機械(ムラテック)のF-120ファクス・サーバーおよびSM-100サーバー・ソフトウェアを含むサリュテーション・ファクス・サーバー・システムは、同年6月に出荷予定です。
サリュテーションと新着サービス・ディスカバリ
プロトコル
Sun MicrosystemsのJini
Jiniテクノロジーの単純なメカニズムによって、各機器は結合して臨時のコミュニティを形成します。このコミュニティには計画性もインストールも人的介入もありません。コミュニティ内では、1つの機器が提供するサービスはほかの機器も利用できます。
Jiniテクノロジーを支えているのは、Javaプログラミング言語です。Jiniテクノロジーを使ったネットワークでは、機器がJavaリモート・メソッド呼び出し(RMI)を使って結び付いています。ルックアップ・サービスだけでなくディスカバリ・プロトコルやジョイン・プロトコルも、JavaオブジェクトをコードとともにJava仮想マシン間で移動する機能に依存しています。Jini接続テクノロジーがうまく機能するためには、その基盤となるプロトコルとインフラがパーベイシブになる必要があるのです。
Jiniに関してSun
Microsystemsに対する妨害がないわけではありません。Microsoftは、JiniとJavaに対して受動的とも積極的とも取れる態度をとっています。表面的には、Javaが単なる1つのプログラミング言語であると主張することによって、どちらにおいてもSun
Microsystemsの主導権を無視していますが、その一方でMicrosoftはInternet
Explorerの実装において一方的にJavaを拡張しています。これらの相違点についてのリアルタイム・デモは、NetscapeのNavigatorおよびMicrosoftのInternet
Explorerを使って(http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Jan99/PLUGNPlay+QS.htm)をご覧ください。
MicrosoftのUPnPとSSDP
ユニバーサル・プラグアンドプレイ(UPnP)は、家電、PC、サービスなどをプラグを差すだけで接続できるオープン標準テクノロジーで、プラグアンドプレイを拡張してネットワークやピア・トゥ・ピア・ディスカバリおよび構成をサポートするようにしたものです。UPnPは、すべてのMicrosoft
Windows プラットフォーム、PC、そしてWindows
98、Windows
2000、Windows
CEなどのオペレーティング・システムを動作する機器に実装されることになります。Microsoftは、UPnPの仕様、実装ガイド、サンプル・ソース・コードをWinHEC
99で配布しました。Microsoftが提供するサンプル・コードを使ってソリューションを実装のにライセンス料金は必要ありません。
Microsoftによると、UPnPのサブセットであるシンプル・サービス・ディスカバリ・プロトコル(SSDP)が提供するメカニズムを使えば、ネットワーク・クライアントは静的な構成がほとんど、もしくは全くなくても、必要なネットワーク・サービスを探知できます。SSDPは、HTTPをマルチキャストおよびユニキャストUDP上で使用して、OPTIONSとANNOUNCEという2つの機能を果たします:
OPTIONとは、必要なネットワーク・サービスがネットワーク上に存在するかどうかを確認するものです。
ANNOUNCEとは、ネットワーク・サービスがその存在を発表するものです。
SSDPは、ディスカバリのみを実行します。その他のサービス・デスクリプションとネゴシエーション(もしくはその片方)は、その上のレイヤにある各サービス特有のプロトコルが実行します。
SSDPは、IP環境が明確に定義されており、UDPマルチキャスト/ユニキャストとHTTPメッセージ・シンタクスの両方が必要です。MicrosoftはSSDPの対象としてホーム・ネットワークや小規模オフィス・ネットワークなどの小さなピア・トゥ・ピアTCP/IPネットワークを想定しています。
サリュテーション・アーキテクチャは、Jini、UPnP、SSDP仕様とどのように違うのでしょうか?
サリュテーション・コンソーシアムのアーキテクチャはそもそも、ネットワーク・アーキテクチャにベンダーが制限をつけるべきでないという立場から始まっています。サリュテーションは、Java、UDPまたはHTTPに限られているわけではありませんし、それらに対応する前提条件も必要ありません。プラットフォーム、OS、ネットワークを全く問わないのです。サリュテーション・アーキテクチャは単一のパーベイシブ・インフラを想定しているわけではありません。実際、1種類の実装で複数のインフラに対応できることこそ、サリュテーションの強みなのです。
JiniとSSDPがまだ開発段階にある反面、デベロッパ・ツールキット、MFP、ファクス・デバイス、Windowsプラットフォーム・イネーブラなどサリュテーションの実装はすでに市場に投入されています。
強調しなければならないのは、サリュテーションがオープン・アーキテクチャであるという点です。1社や2社の大企業が支配するものではありません。むしろ、共通サービス・ディスカバリや共通セッション・マネジメントを設けることによって豊かな機能性を提供することに専念しようという業界リーダーたちの専門グループによって動かされているのです。
サリュテーションの価値
サリュテーション プロトコルは、どこかが所有権を持つものではありません。仕様はウェブサイトからダウンロードできます。どんな企業でもその仕様開発に参加できます。
Jiniに関するレポートとは違って、サリュテーションの実装に関してロイヤルティは一切請求されません。
Jiniは、その全機能を有効にする上でJavaに依存しています。サリュテーションは、Javaでも他の言語(Windows
95/98/NTおよびWindriverのTornadoが使用可能。Windows
CEとPalm
OSについても計画中)でも実装することができます。
JiniとUPnP/SSDPは、IPネットワークを対象にしています。サリュテーションは、IP、IR、将来的にはワイヤレスを含めどんなネットワークでも動作します。
サリュテーションは実装面積が小さいため、小型のデバイスに使用できます。この点でJiniはまだ対抗できません。UPnP/SSDPは不明です。
完全にその機能を発揮するために、JiniとUPnP/SSDPは一種のディレクトリを必要とします。サリュテーションは、ディレクトリ中心のアプリケーションにでもポイント・トゥ・ポイントのアプリケーションにでも対応します。
JiniとUPnP/SSDPが業界紙における記事の量を争っている反面、サリュテーション搭載製品は静かに出荷され続けています。
JiniとUPnP/SSDPの実装は、まだ先です。サリュテーションはデバイスにおいてもサービスにおいても実証済みであり、複数のソースからソフトウェア開発ツールキットが入手できます。
Jiniはまだデバイス・ドライバなしでは使用できず、Javaベースのデバイス・ドライバを見つけるためのメカニズムを持っているに過ぎません。米国と日本で発売中のLotus
Notes用サリュテーション搭載製品であるIBM NuOfficeもデバイス・ドライバを見つけ、ロードするメカニズムを備えていますが、Javaという前提条件はありません。
サリュテーション・コンソーシアムに隠し事はありません。これまで述べてきたとおり「見るもの、すなわち手に入れるもの」なのです。
-オープン
-役立つ
-実用中
-無償
ディスカバリおよびサービス・マネジメントにぜひご利用ください。
Jiniに関する詳細は、以下のウェブサイトから引用しました。http://www.sun.com/jini/overview/;$sessionid$OTK1RLIAACJXPAMUVFZE5YQ#999106)
SSDPに関する詳細は以下のウェブサイトから引用しました。(http://search.ietf.org/internet-drafts/draft-cai-ssdp-v1-01.txt)
展望Microsoft
、Sunとの競争を示唆 E ホーム・ネットワークでは相互動作性がかぎ(1999
CPM Media Inc.版権所有。「Electronic
Engineering Times」から許可を得て転載。01-11-1999、ステファン・オー(Stephan Ohr)著、ジュンコ・ヨシダ(Junko Yoshida)追加取材)
ラスベガス発
- Consumer Electronics Show (CES)では、ホーム・ネットワーキングについて大幅に異なるアプローチをとる少なくとも5つのグループが、相互動作性についてアピールを繰り広げました。しかし、各社のデモでは、ホームPCと各機器をつなぐために非常に多様な方法
―
電話線、放送波、少数のケースでは電線を使ったもの
―
が採用されていました。
最も目立ったのはMicrosoftで、同社が公開したホーム・ネットワーク向け拡張オペレーティング・システムでは、Windowsベースのシステムを通じて多数の機器を別々の有線および無線ネットワーク上でリンクさせることが可能でした。
WinHECのターゲット
Microsoftの消費者戦略担当シニア・バイス・プレジデントであるクレイグ・マンディー(Craig
Mundie)氏は、「当社は、ソフトウェア・テクノロジーをパッケージ化し、4月に開催されるWinHECで、ユニバーサル・プラグアンドプレイに基づくシステム構築に関心のある開発者に発売する予定です」と、述べています。
MicrosoftのUPnPは、Sun
MicrosystemsのJiniに似た分散コンピューティング・テクノロジー(「EETimes」1998年11月23日号1ページ参照)と競合することになるでしょう。Sun
MicrosystemsのJavaに基づくJiniは、異なるネットワークや動作環境上で接続された機器の構成であり、(1月に)Sun
Microsystemsによって詳しく発表されました。
多様なホーム・ネットワークを許容するニーズは、CESにおいて明白でした。Hewlett-PackardやIntelなど大手を含むHomeRF
Consortiumはワイヤレス接続、Home
Phone Networking Association (HomePNA)は家内電話線配線(RJ-11コネクタ付き)をアピールしました。また、Enikia(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ)などの新企業は、家庭用AC電気配線をコンピュータと機器間のデータ伝送に使用するネットワークを披露しました。
各社まちまち
同様のメディアを推奨するグループ内ですら、各社とも異なるテクノロジーを支持しました。たとえばStartup
ShareWave(米国カリフォルニア州エルドラド)は、ホームPCや娯楽機器向けビデオ圧縮を備え、高帯域幅接続(最大4メガビット/秒)を持つワイヤレス・ネットワークを披露しました。ShareWaveのマーケティング・バイス・プレジデントであるボブ・ベネット(Bob
Bennett)氏は、HomeRFグループとの相互動作標準の開発を目指して何らかのテクノロジーを発表するつもりだと述べました。
同様に、Epigram(米国カリフォルニア州サニーベール)エルドラド)社長のジェフ・サーモンド(Jeff
Thermond)氏は、10メガビット/秒の電話線LANを披露した際に相互動作性について言及しました。Epigramは、HomePNAにEthernetプロトコルを使用する同社のシステムを提供し、HomePNAは10メガビット/秒標準のモデルとしてそれをコピーしています。「HomePNAは、2.0スペック開発に向けて極めて積極的なスケジュールを組んでいます」と、サーモンド氏は述べています。
サリュテーションは常にホーム・ビジネスに力を入れています(http://www.salutation.org/ussalute/salinhome2.htm)。そして、この記事にあふれているようなテクノロジーの数々を考慮すれば、サリュテーションは基本オペレーティング・システムやネットワーク・プロトコルに依存しないからこそ、サービス・ディスカバリとその利用に最適となっているのです。「Greetings!」今月号の「テクニカル・トーク」をご覧ください。
サリュテーション年次総会
-
東京
-
1999年7月
サリュテーション理事会
-
東京
-
1999年7月
サリュテーション技術委員会
- 米国内の会場(未定)
- 1999年6月
詳しくは、サリュテーションのウェブサイト(www.salutation.org)をご覧ください。