1995年10月30日、ダラス発 - 業界団体であるサリュテーション・コンソーシアムは、ネットワークを通じてコピー機、プリンタ、FAX、アプリケーションならびにサービスが相互に自己紹介するのを可能にする、実際には挨拶をかわすのを可能にする、オープンなインタフェース仕様を発行しました。
サリュテーション仕様は、本コンソーシアムのWebサイト(http://www.salutation.org/salute/)から入手できます。
サリュテーション仕様には、ハードウェアプラットフォームやオペレーティングシステムソフトウェアとは関係なく、機能交換プロトコルとアプリケーションプログラムインタフェース(API)が記述されています。機能の交換は、クライアント/サーバモデルをベースに行われ、どの機器、アプリケーションまたはサービスでも、データフォーマットや機器特性に関するクエリーをイニシエートしたり、あるいはこれに応答したりすることができます。問い合わせ側のクライアント機器は、応答での対話を調整できます。互換性のあるパケット管理または相互操作性に必要なジョブ管理機能を提供するサリュテーションテクノロジーのオプションの要素は、機器およびアプリケーションプログラムで実現できます。
当コンソーシアムの設立メンバーであるIBMは、本日、サリュテーション・アーキテクチャをサポートする世界初の製品である、IBMサリュテーションマネジャーを発表しました。IBMサリュテーションマネジャーは、アプリケーション、機器およびサービスの開発業者が自社製品をサリュテーションレディにするためのツールキットです。IBMサリュテーションマネジャーをサービスブローカとして使用することにより、サリュテーション対応機器、アプリケーションおよびサービスが、NetBIOS、TCP/IPおよびXPFでサリュテーションプロトコルを通じて互いの機能を発見し、利用し合うことができます。今日のデスクトップ計算処理環境に合うように、IBMサリュテーションマネジャーは、ソースコードを通じて他のプラットフォームに機能を移植できる、Windows 3.1とOS/2環境をサポートするように設計されています。ベンダーの方たちは、当コンソーシアムのWebサイトでIBMサリュテーションマネジャーに関する詳細を入手することができます。
ノベルの次世代プリンタおよびNetWare(R)用共用アーキテクチャである、NetWare Distributed Print Service(TM)(NDPS(TM))は、OEMが個々の周辺機器の特徴と機能をユーザに利用できるようにします。OEMは、Novell Embedded System Technology(TM)(NEST(TM))プログラムを通じてNDPSを用することができます。開発企業担当マネージャーであるメアリー・ヒル女史は次のように語っています。「業界のネットワーキングリーダとしてのノベルは、堅固なプリンタおよび周辺機器共用サービスを提供し、多様なネットワーク環境を通じて、これらの異種オフィス機器間の相互操作性を実現する必要性を認識しています。 サリュテーション・アーキテクチャを利用することで、NDPS環境と非NDPS環境との間で機能に関する情報交換を行うことができます。」
当コンソーシアムのマネージングディレクターであるジェームス H. バーネット Jr.氏は、次のように語っています。「サリュテーションは、接続されている機器やネットワークにどんなものがあるかを知らなくても、情報のギャップを埋めます。つまり、自分のドキュメントに関する要件やコピー機のカラー機能に合致するプリンタの位置などを知ることができます。サリュテーションテクノロジーでは、遠隔機器の機能を発見し、そこで見つけたものに適合するよう作業を調整することができます。」
7月以降、再評価しコメントを提出する目的で、公共領域で仕様書案を発表してきました。この再評価期間中、コンソーシアムは、Webサイトであるいはオフィスを通じて仕様に関する100件を超えるリクエストに応えてきました。バーネット氏は次のように語っています。「本仕様に対するプラスの反応が、アーキテクチャの妥当性を評価するため、コンソーシアムのメンバーによって開始されたプロトタイプ作成活動の価値を強調しています。」
ユタ州プロボで開催される当コンソーシアムの12月の技術会議で、技術委員会に加わった新メンバーと他の関心のある人たちのためにチュートリアルが開催されます。コンソーシアムの仕様の実現を促進するための作業の一環として、日本で製造元向けの技術打ち合わせ会が開かれました。関心が高まってきたなら、同様の打ち合わせ会を他の地域でも開催する予定です。
コンピュータ、ネットワークサービス、情報管理ソリューションおよびオフィス機器の製造元などが、仕様を開発しているメンバー企業です。仕様書案が入手可能になった後で、アクティブボイス、アクシスコミュニケーションズ、ブラザー工業、ハーメス、ロックウエル、セイコーエプソンおよびウインドリバーなどが、当コンソーシアムに参加し、加盟メンバーは合計31社となりました。設立メンバーにはAPTi、キヤノン、富士ゼロックス、富士通、ヒューレットパッカード、日立、インテグレーテッドシステムズ、IBM、コダック、コニカ、レックスマーク、松下、マイクロウエアシステムズ、ミノルタ、三田、三菱、ムラテック、ノベル、沖データ、リコー、サンヨー、シャープ、東芝およびゼロックスなどがあります。
コンソーシアムの技術委員会は、現在、向上した相互操作性と将来の発見テクノロジーをサポートするよう、仕様を拡張する作業に取り掛かっています。1996年当初に入手可能になることが予定されている次のリリースは、ネットワークトランスポートとは関係なく、標準として作成されたアプリケーションの移植可能性を向上させます。次のリリースでは、各種仕様の実装間で業界標準の通信を可能にするRemote Procedure Call(RPC)テクノロジーがサリュテーションプロトコルに採用されます。さらに、音声メッセージ処理や電話機とのインタフェースを仕様に追加するため、現在メンバーから提出される最初のプロポーザルが開発されています。メンバー企業によって組織された技術小委員会は、フレームワーク、ドキュメントシステム、電話、パーソナル情報および、アプリケーションとサービスなどの各種課題に対応しています。
サリュテーション・コンソーシアムは、協働が存在する場所を決定するため、他の業界組織やイニシアチブと合同で作業を行っています。当コンソーシアムは、いくつかの領域でアップル、AT&T、IBMおよびシーメンスによって組織されたグローバルなイニシアチブであるバーシットと会合を開いています。この仕様は、現在アドレスブック交換データフォーマットに関するバーシットパーソナルデータ情報の仕様をサポートするように拡張中です。バーシットにより定義された、PBX機器に関係のあるコマンドとプロトコルが将来のリリースでは考慮の対象となります。サリュテーションは、インターネットフレンドリなフォーマットのサポートについて検討するため、バーシットにも参加しています。共通の関心を持つ領域を判断するため、多機能周辺機器協会(MFPA)についての対話が進行中です。当コンソーシアムはこのような提携関係の一環として、最近のMFPAの年次会議でチュートリアルのプレゼンテーションを行いました。 コンソーシアムについて
サリュテーション・コンソーシアムは、関心を寄せている会社、組織および個人にすべてにとってオープンな会員制非営利業界団体です。当コンソーシアムは、300$〜50,000$の範囲の年間会員費をベースとした3レベルの会員で構成されています。当コンソーシアムはすでに米国と日本で活動を開始しており、ヨーロッパのメンバーにも参加を求める予定です。
当コンソーシアムは将来的には、サリュテーションテクノロジーの開発を継続し、相互操作する機器、アプリケーションおよびサービスの機能にアクセスし管理する共通の手法として、仕様の活用を促進する作業を行っていきます。このミッションのサポートでは、当コンソーシアムは仕様を実施する各社に訓練とドキュメントを提供し、サリュテーションテクノロジー実装のための認証プロセスの設定を考慮中です。当コンソーシアムは国際標準化団体にサリュテーション仕様を提出することも検討中です。