サービス・ディスカバリの機能を拡張したバージョン2.1
2000年4月3日、ユタ州ハイランド発――各種の機器間での情報交換を追求している非営利法人サリュテーション・コンソーシアムは、サリュテーション・サービス・ディスカバリ・アーキテクチャの仕様を拡張したバージョン2.1をリリースします。
サービス・ディスカバリ・プロトコルによって、ネットワーク・デバイス、アプリケーション、サービスはそれぞれを補完する他のネットワーク・デバイス、アプリケーション、サービスを検出して要求されたタスクを完了できるようになります。
今回の新しいバージョンでは機能が拡張され、SLP(service
location protocol)がサポートされています。これにより、サブネットを越えたサービス・ディスカバリやディレクトリ・ベースのサービス・ディスカバリが可能になります。SLPはIETF(Internet
Engineering Task Force)の標準化委員会が承認した標準のインターネット・サービス・ロケーション・プロトコルです。サリュテーションは2つの異なるサービス・ロケーション・プロトコルに同時にアクセスする単一のAPI(application
programming interface)となります。バージョン2.1では、単一のサービス・マネージャーがローカルではサリュテーション・プロトコルをサポートし、同時にインターネット上でSLPをサポートします。
サリュテーション・アーキテクチャ2.1の仕様は、コンソーシアムのWebサイト(www.salutation.org)から無料でダウンロードできます。
「特定のサービス・ディスカバリのテクノロジーに依存しない」というコンソーシアムの方針は、新しい仕様においても貫かれています。コンソーシアムはすでに、インテリジェントなハンドヘルド・マシン用に、サリュテーション-LiteのアーキテクチャをIrDA(Infrared
Data Association)とBluetoothにマッピングしています。
サリュテーション・コンソーシアムのロバート・パスコ会長は次のように語っています。「無線機能を備えたハンドヘルド・コンピュータが広く普及するには、数多くのベンダーから発売されている各種のデバイスの間で情報を交換するための標準的な手段が必要になります。サービス・ディスカバリは少数のベンダーの専有物ではなく、特定のオペレーティング・システムやビジネス・モデルの専有物でもありません。」
サリュテーション・テクノロジーは、特定のオペレーティング・システム、ハードウェア・プラットフォーム、通信プロトコルに依存せずに、デバイス相互を瞬時のうちにシームレスに接続します。この結果、各種のデバイス、アプリケーション、サービスを包括する単一のサービスが可能になります。
サリュテーション・アーキテクチャは、デバイスを検出しバインドする「Find
and Bind」なソリューションを提供します。このアーキテクチャを利用すれば、サリュテーション対応の機器を検出して相互に機能をやり取りし、必要なサービスを見つけることができます。
コンソーシアムのメンバーやその他の企業から、サリュテーション-Liteを実装した製品が次々とリリースされています。たとえば、リコー、キヤノン、富士ゼロックスは複合機、村田機械と三田工業はファックス機をそれぞれ出荷しています。また、IBMはNuOfficeを通じてNotes Dominoをサリュテーションに対応させました。XtraWorXはWindowsイネーブラを開発し、ローカルに接続したデバイスをネットワーク上でサリュテーション対応として認識できるようにしました。サリュテーション・アーキテクチャをベースとした文書管理のシステムも開発されています。開発用のツールキットは、IBMやその他のベンダーからリリースされています。
サリュテーション・コンソーシアムは、ロイヤルティ・フリーのサリュテーション・アーキテクチャを推進することを目的とした非営利法人です。サリュテーション・アーキテクチャはサービス・ディスカバリ/セッション管理のプロトコルであり、トップレベルの情報技術企業十数社によって開発されました。サリュテーション・アーキテクチャは特定のオペレーティング・システム、通信プロトコル、ハードウェア・プラットフォームに依存しないオープン・スタンダードです。
メンバー企業および団体には、America Online、Axis Communications、キヤノン、Continental Automated Buildings Association、富士ゼロックス、富士通、Grantie Systems、Hewlett-Packard、日立、Infrared Data Association、IBM、コニカ、京セラミタ、松下、MicroBurst、三菱、村田機械、沖データ、Pistachio、リコー、セイコーエプソン、シャープ、TRG Products、東芝TEC、USA Technologies、WalletWare、Xeroxなどがあります。アカデミック・メンバーとしては、タマール・ボース氏(コロラド大学)、ステファン・ライス氏(ブラウン大学)、高木友博(明治大学)、ウェンチン・リュウ氏(国立政治大学:台北)、ロジャー・デブリ博士(ユタ・バレイ州立大学)、ゴールデン・G・リチャードIII博士(ニューオリンズ大学)、カスパー・ヘルデン氏(リンチェピング大学:スウェーデン)、ヒース・ウェストーバー(ワシントン大学)などがコンソーシアムに加入しています。