テスト・ツールは、開発者のために、クライアントとサーバーのFunctional Unit（FU）との間でプロトコル交換を実行し、交換が正しく行われたかどうかをチェックします。テスト・スイートは3つの要素（サリュテーション・マネージャーのテスト・ドライバー、クライアントのテスト・ドライバー、デバイス・エミュレーター）からなり、Windows 95、Windows 98、Windows NT上で実行できます。
サリュテーション・マネージャーのテスト・ドライバーは、サリューション・パーソナリティに対応した製品の基本機能（メッセージ交換による個々のメッセージを含む）の開発とテストに使用します。このテスト・ドライバーは、サリュテーション・モードの製品のSLM/FUディスカバリ、属性の取り出し、セッション管理、メッセージ交換などをテストします。エミュレートされた（またはネイティブの）特定のパーソナリティ用のメッセージ交換については、テスト・ツールをカスタマイズして拡張する必要があります。
クライアントのテスト・ドライバーは、プリント、docStorage、faxSend、faxDataなどの機能を組み込んだ製品の開発とテストに使用します。このテスト・ドライバーはプロトコル交換のシーケンス全体を自動的に実行します。たとえば、プリント・ジョブを開始し、ジョブが完了するまでその進行を監視します。クライアントのテスト・ドライバーは手動の入力を受け入れるほか、バッチ・モードのスクリプトにも対応しています。プロトコル交換を追跡した結果はメッセージとして出力されます。
デバイス・エミュレーターは、アプリケーション・プログラムのモジュールの開発とテストに使用します。このエミュレーターは、実際のサーバー・デバイスが実行する一連のアクションをサポートしています。たとえば、プリントFUは用紙トレイを設定して、プリント・キューに入っているジョブを処理し、用紙切れなどのデバイス・ステータスをセットします。デバイス・エミュレーターはグラフィカル・ユーザー・インターフェースを備えており、いろいろなデバイス機能（通常の操作のほか、動的なイベントやエラーも含む）を簡単にシミュレートできるようになっています。
テスト・スイートは、すでにIBMのNu-Officeやサリュテーション・コンソーシアムのポート・オブ・エントリ製品をはじめとするいくつかのサリュテーション対応製品で実証されています。
サリュテーション・アーキテクチャはFind（検出）とBind（接続）のソリューションとして、サリュテーション対応のデバイスを検出し、デバイスの機能を判別して、ユーザーが必要とするサービスを見つけ出します。サリュテーション・アーキテクチャは特定のオペレーティング・システムや通信プロトコルに依存しておらず、いろいろなデバイス、アプリケーション、サービスを包括する単一のサービス・ディスカバリを可能にします。
サリュテーション・コンソーシアムは、ロイヤルティ・フリーのサリュテーション・アーキテクチャを推進することを目的とした非営利法人です。サリュテーション・アーキテクチャはサービス・ディスカバリ/セッション管理のプロトコルであり、トップレベルの情報技術企業数社によって開発されました。サリュテーション・アーキテクチャは特定のオペレーティング・システム、通信プロトコル、ハードウェア・プラットフォームに依存しないオープン・スタンダードです。
メンバー企業および団体には、Axis Communications、キヤノン、富士ゼロックス、富士通、Grantie Systems、Hewlett-Packard、日立、IBM、IrDA, コニカ、松下、MicroBurst、三田、三菱、村田、沖データ、リコー、セイコーエプソン、シャープ、TRG Products、東芝、Xeroxなどがあります。アカデミック・メンバーとしては、タマール・ボース氏（コロラド大学）、カスパー・ヘルデン氏（リンチェピング大学）、ウェンチン・リュウ氏（国立政治大学）、ステファン・ライス氏（ブラウン大学）、ゴールデン・G・リチャードIII氏（ニューオリンズ大学）、高木友博氏（明治大学）などが加入しています。
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