メンバーが開発した新しいテクノロジー
(PalmOS用のサリュテーション-Lite、クロスプラットフォームのデータ交換など)
を無料で提供
1999年12月7日、
Bluetooth Developers Conference(カリフォルニア州ロサンゼルス)発――各種の機器間でより効率的に情報交換するための技術を追求している非営利法人サリュテーション・コンソーシアムは、6つの新しいメンバーの加入を発表しました。
新しいメンバーのうちの2つはMicroBurstとTRG Productsです。これらの会社はPalmOSとWindows CEをターゲットとしたテクノロジーを開発しており、Microburstは2000年早々、TRGは2000年の中頃にそれぞれ製品をリリースする予定です。MicroBurstとTRGはジェネラル・メンバーとしてコンソーシアムに加入しました。
MicroBurst (メリーランド州ロックヴィル、www.mburst.com) は、ハンドヘルド//PDAデバイス(Windows CE、3Com Palm Pilotなど)用のアプリケーション、およびWindows、Macintosh、OS/2に対応したスマート・ホーンや無線インターフェースの設計、開発、テストに携わっています。同社は、Windows CEマシンとPalmOSデバイスの間でビジネス・カードを交換できるようにするため、サリュテーション-Liteに対応したコードを開発する予定です。Windows CE/PalmOS間でのこの種のデータ交換としては、これは初めての試みです。MicroBurstの会長であるマーク・フレデリクセン氏は次のように語っています。「サービス・ディスカバリの分野で、このように先進的な人々と一緒にやれるのはまことにうれしい限りです。MicroBurstはPalmOSとWindows CEの間のデータ交換を実現し、サリュテーション・アーキテクチャをベースとした技術開発をさらに推進するつもりです。モーバイルのコミュニティにとってありがたいのは、プロトコルがどのベンダーにも依存していないことです。」
TRG Products(アイオワ州デモイン、www.trgpro.com)はPalm Computingからライセンスを受け、Palm ComputingプラットフォームをベースとしたTRGproを開発しました。同社はサリュテーション-LiteをPalmOSに移植し、TRGpro PalmOSハンドヘルド・デバイスに用意されたソリューション・ライブラリのオプションの1つとして提供する予定です。TRG Productsのプロダクト・マネジメント担当ディレクタであるダグ・ルイス氏によれば、「サービス・ディスカバリに向けてサリュテーション・コンソーシアムを選択したのは、過去3年間にわたる実績を評価したため」です。同氏は次のように述べています。「モーバイル市場で成功するには、各種のデバイスをリンクするしっかりした手段が必要です。サリュテーション・アーキテクチャはこの手段を開発者に無料で提供してくれます。(サリュテーションが)日本市場に食い込んでいることも考慮しました。」
サリュテーション・コンソーシアムはInfrared Data Association(IrDA)のメンバーになるとことと引き換えに、IrDAをコンソーシアムの名誉メンバーとして迎え入れました。IrDA(カリフォルニア州ウォルナットクリーク、www.irda.org)は世界各国の企業からなる団体であり、赤外線(IR)標準を策定し、赤外線技術の品質向上とインターオペラビリティ(相互運用性)を推進しています。
さらに、アカデミック・メンバーとして、コロラド大学のタマール・ボース博士、ブラウン大学のステファン・ライス博士、明治大学の高木友博博士を迎え入れることになりました。
サリュテーション・コンソーシアムのロバート・パスコ会長は「サリュテーション・アーキテクチャには4つの強みがある」と指摘し、「オープンであること、ちゃんと動くこと、予定通り出荷されていること、無料であること」を挙げています。「コンソーシアムのメンバーが増え続けていることは、共通のサービス・ディスカバリ・ソリューションへのニーズがいかに根強いかの現れにほかなりません。コンソーシアムは新しいメンバーを歓迎し、今後もさらにメンバーを増やしていくつもりです。メンバーの増加を通じて、高度なサービス・ディスカバリ・プロトコルを市場に提供し続けることが可能になります。」
サリュテーション・サービス・ディスカバリ
サービス・ディスカバリ・プロトコルを通じ、ネットワーク・デバイス、アプリケーション、サービスは他のネットワーク・デバイス、アプリケーション、サービスが備えている機能を検出、利用し、特定のタスクを実行します。サリュテーション・テクノロジーにより、各種のデバイスはオペレーティング・システム、ハードウェア・プラットフォーム、通信プロトコルのいかんにかかわらず、相互にシームレスに接続できるようになります。この結果、いろいろなデバイス、アプリケーション、サービスを包括する単一のサービス・ディスカバリが可能になります。
サリュテーション-Liteは、ハードウェアとソフトウェアの両面から次世代のハンドヘルド・マシンやパームサイズPCの開発を促すために、オープン・ソースのモデルに従ってロイヤルティ・フリーで提供されています。サリュテーション-LiteのアーキテクチャはFind(検出)とBind(接続)のソリューションとして、サリュテーション対応のデバイスを検出して、必要なサービスを交換します。モーバイル・ユーザーはこれを利用し、印刷、ファックス通信、オーディオ・メッセージ送受信などをハンドヘルド・デバイスの赤外線ポートから直接に実行できます。
サリュテーション・アーキテクチャを実装した製品は、コンソーシアムのメンバー企業はもちろん、メンバー以外の企業からも続々と出荷されています。たとえば、リコー、キヤノン、富士ゼロックスからは複合機器、
村田と三田からはファックス機が出荷されています。IBMはNuOfficeを通じてNotes
Dominoをサリュテーションに対応させました。XtraWorXはWindowsイネーブラを開発し、ローカルに接続したデバイスをネットワーク上でサリュテーション対応として認識できるようにしました。IBMやその他のベンダーからは開発のためのツールキットもリリースされています。
サリュテーション・コンソーシアムは、ロイヤルティ・フリーのサリュテーション・アーキテクチャを推進することを目的とした非営利法人です。サリュテーション・アーキテクチャはサービス・ディスカバリ/セッション管理のプロトコルであり、トップレベルの情報技術企業数社によって開発されました。サリュテーション・アーキテクチャは特定のオペレーティング・システム、通信プロトコル、ハードウェア・プラットフォームに依存しないオープン・スタンダードです。
メンバー企業/団体には、Axis Communications、キヤノン、富士ゼロックス、富士通、Grantie Systems、ヒューレットパッカード、日立、IBM、IrDA, コニカ、松下、MicroBurst、三田、三菱、村田、沖データ、リコー、セイコーエプソン、シャープ、TRG Products、東芝、ゼロックスなどがあります。
アカデミック・メンバーとしては、タマール・ボース氏(コロラド大学)、ステファン・ライス氏(ブラウン大学)、高木 友博氏(明治大学)などがコンソーシアムに加入しています。