1997年5月27日、カリフォルニア州サンノゼ――サリュテーション・コンソーシアムのメンバー企業6社から、サリュテーション対応の製品のリリースもしくはリリースの意図が発表されました。
5月13-16日に東京ビッグサイトのコンベンションセンターで開かれたビジネスショーO97で、キヤノン、富士ゼロックス、日本IBM、三田、村田機械、リコーの各社はコンソーシアムのブースにサリュテーション対応の製品を出展しました。
これらの新製品は社内イントラネットに関するサリュテーションのビジョンをサポートし、ネットワークに(直接にまたはリモート・ポートを介して)新たに接続された機器を自動的に検出し、その機器の基本機能を使用できるようにしています。新製品はハードウェアとソフトウェアの両方にまたがり、その多くはイントラネット環境でLotus Notesと緊密に連携しています。
トレードショーと並行して東京ビッグサイトの会議棟ではサリュテーション・コンソーシアム主催の技術セミナーも開かれました。ビジネスショーに出展された製品はまず日本で発売されます。米国での発売についてはいまのところ未定です。
サリュテーション・コンソーシアムは、問い合わせをブロードキャストすることによってネットワーク上のリソースを検出するための仕様を公開しています。この仕様は特定のネットワーク・トランスポート、ハードウェア・プラットフォーム、オペレーティング・システムには依存しておらず、インターネットやその他の標準のメッセージ・フォーマットをサポートしています。
IBM Software Solutionsのジェネラル・マネージャー、スティーブ・ミルズ氏は次のように語っています。「サリュテーション・コンソーシアムが開発した標準を利用すれば、ユーザーはどのデバイスを使っているかを問わず、好きなところに、好きな時間に、好きな方法で情報を送信できるようになります。」
このサリュテーション・システムはデジタル複写機Canon GP30F(MEDIO 30Fとも呼ばれます)をサリュテーション対応の印刷コントロールやスキャンのアプリケーションと結合し、Lotus Notesをベースとしたイントラネット環境のために新しいネットワーク機能を創り出します。
スキャン・アプリケーションのMEDIO OfficeScan for SalutationはMEDIO 30Fでスキャンしたドキュメントを直接にLotus Notesサーバーに保存します。保存されたドキュメントはNotesクライアントからWebブラウザを使って見ることができます。この機能は同じく本日発表されたIBM NuOffice(下記を参照)と連携しています。印刷コントロールのアプリケーション(MEDIO OfficeTerminal for Salutation)は印刷ジョブが完了し次のジョブが可能になると、自動的にユーザーに通知します。複写機にインストールされている機能やオプションはWebブラウザから確認できます。
Network Ableはネットワークに対応したコピー、ファックス、印刷、スキャンという4つの機能を1台のマシンに装備しています。Network Able for Salutationはそのネットワーク機能の中でサリュテーション・アーキテクチャをフルに活用しています。
NuOfficeはLotus Notesをベースとしたフル機能のオフィス環境であり、サリュテーション・アーキテクチャを通じて複写機、ファックス機、スキャナ、プリンタを社内ネットワークのアクティブなプレーヤーに仕立て上げます。IBM NuOfficeは複写機やファックス機のスキャン機能にインテリジェンスを付け加え、これらの機器を使って紙のドキュメントからLotus Notesへ情報を入力できるようにします。NuOfficeを使えば、複写機やファックス機からスキャンしたドキュメントを電子メールで送信できます。
NuOfficeにより、Lotus Notesからオフィス機器を操作することが可能になり、機器の状態をチェックして、高速印刷、ソート、印刷部数などの機能を制御できるようになります。
このサリュテーション対応のソフトウェアはTME10 NetFinityの機能を拡張し、PC LAN環境でのプリンタの制御を強化します。ユーザーはプリンタの設定をチェック、変更し、印刷ジョブを制御し、給紙を監視することができます。このソフトウェアは1996年11月に米国のComdex/Fallで発表されました。
IBMはSalutation Managerのデモを行いました。IBM Salutation Managerはサリュテーション対応のアプリケーションを開発するためのツールキットであり、Windows 95、Windows NT、OS/2、Windows 3.1に対応しています。このツールキットにより、サリュテーション・コンソーシアムのオープン・プロトコル(インターネット・デバイスを検出、制御するためのプロトコル)を利用したデバイス、サービス、アプリケーションの開発が容易になります。
三田工業はAntico 30普通紙ファックス機のオプションとしてネットワーク接続キット for ノーツを発表しました。このキットをインストールすると、他のサリュテーション対応機能から受け取ったドキュメントをネットワーク上のNotesクライアントに電子メールとして自動的に送信できます。このファックス配信機能は、Subaddress(SUB)信号をITU-T勧告T.30で定義された信号として使用したファックス機によっても可能になります。NotesデスクトップからAntico 30をスキャナ/FAX/プリンタとして使用することもできます。
村田機械(Muratec)はサリュテーション・アーキテクチャに対応したファックス・サーバーF- 120/F-150(仮名)の開発計画を発表しました。ファックス・サーバーF-120/F-150はネットワーク対応のファックス・モデムとして、PCで作成したドキュメントをファックスとして送信します。ファックスとして受信したドキュメントは中間の印刷ステップの介在なしに普通紙の品質で保存できます。ユーザーは送信したファックスの状態を追跡し、受信者によって読まれたかどうかを判別できます。
Ricohが発表したサリュテーション・ソフトウェア・パッケージは、Lotus Notesのイントラネット環境でImagio MF-Pデジタル複写機をネットワーク・プリンタ/スキャナとして使用できるようにします。サリュテーションのサポートを通じ、Imagio複写機のいろいろな機能(コピー、ファックス、印刷、スキャン)の使い勝手が大幅にアップします。たとえば、Lotus NotesのユーザーはImagioを使って取り込んだ文書や画像をLotus Notesのメールとして他のNotesユーザーに直接に送信できます。これをサポートするために、Ricohは印刷サーバー・ソフトウェアとスキャナ・サーバー・ソフトウェアを提供します。
サリュテーション・コンソーシアムは米国、欧州、日本にメンバーを擁する非営利法人です。メンバー企業には、APTi、Axis Communications、ブラザー、キヤノン、シスコ、コダック、富士ゼロックス、富士通、ヒューレットパッカード、日立、Integrated Systems、IBM、岩崎通信機、ジャストシステム、神戸製鋼、コニカ、Lexmark、松下、Microware Systems、ミノルタ、三田、三菱、村田(Muratec)、ノベル、沖データ、リコー、リオスシステムズ、サンヨー、セイコーエプソン、シャープ、サンマイクロシステムズ、東芝、ゼロックスなどがあります。
サリュテーション・アーキテクチャについては、コンソーシアムのWebサイト(http://www.salutation.org)を参照してください。 (30)