デバイスを見つけただけでは、まだそのデバイスを使えません。見つけたデバイスを実際に使用するには、デバイス・ドライバが必要です。プラグ&プレイに対応したPCに新しいプリンタを接続すれば、プリンタは自動的に認識され、適切なデバイス・ドライバのインストールが始まります。しかし、デバイス・ドライバはどこにあるのでしょうか。運がよければオペレーティング・システムのCDに入っています。あるいはプリンタに同梱されているフロッピー・ディスクにも入っています。このフロッピー・ディスクをたまたまちゃんと保管していたとしても、外出先ではどうしようもありません。もちろん、外出先ではオペレーティング・システムのCDも使えません。通常のやり方でデバイス・ドライバをロードすることはできないのです。
サリュテーションのFind-and-Bind(TM)テクノロジーは、デバイス・ドライバをデバイスやネットワーク・サーバーに格納できるようにします。サリュテーションに対応したコンピュータや情報機器は、デバイスやサーバーに格納されたドライバを検出し、自動的にダウンロードします。したがって、デバイス・ドライバが入っているCDやフロッピーを探し回る必要はなく、デバイス・ドライバのインストールは完全に自動化されます。
サリュテーション・アーキテクチャには[DOC Storage]と呼ばれるFunctional Unit (FU) が組み込まれています。このFUの本来の目的は、受信ファックスと送信ファックスの一時的な格納場所となり、スキャンしたページやプリントアウトのページ保管場所となることでした。しかし、Salutation Architecture Specificationのバージョン2.0cでは、[DOC Storage]の機能が拡張され、<i>デバイス・ドライバ</i>、<i>アプリケーション・プログラム</i>、<i>実行コード</i>、<i>アプリケーション・データ</i>も格納できるようになりました。[DOC Storage] FU Description Recordには、これらの新しいタイプを含めた[DOC Storage]の内容を識別するためのファイル・タイプ属性が記述されています。
この新しい属性を利用することにより、[Client] FUはサリュテーションのQueryCapabilityコマンドを使って、デバイス・ドライバを格納している[DOC Storage] FUを見つけることができます。また、FileData属性のチェックを通じてデバイスのタイプとオペレーティング・システムが特定され、検出の範囲が絞られます。このため、[Client] FUは特定のオペレーティング・システムに対応した特定のプリンタ用のデバイス・ドライバを検出できます。
デバイス・ドライバを検出した[Client]は、RetrieveDoc [DOC Storage]コマンドを使って、そのデバイス・ドライバを取り出します。[Client]は取り出したドライバをインストールして、デバイスを使用します。デバイスの使用が完了したら、ドライバはアンインストールされ、[Client]のメモリが解放されます。
サリュテーションは、デバイスのメーカーによるドライバのアップデートにも対応します。アップデートされたバージョンによるデバイス・ドライバの上書きは、StoreDoc [DOC Storage]コマンドによって実行されます。