どのサービス・ディスカバリ・プロトコルを選択するかはむずかしい決断であり、時間もかかりコストもかかります。しかし、サービス・ディスカバリに関する選択は非常に重要であり、一歩間違うと、ターゲットとする市場での成功はおぼつかなく、それ以外の市場に食い込むのも困難になります。サービス・ディスカバリ・プロトコルを選択する際には、ビジネスと技術の両面からいろいろな要素を考慮しなければなりません。
まず考慮すべきなのは、サービス・ディスカバリのテクノロジがどれくらいオープンになっているかです。誰がそのサービス・ディスカバリ・テクノロジを所有しているでしょうか。そのテクノロジを使用するにあたってなんらかの前提条件が存在するでしょうか。単一のプラットフォーム専用のテクノロジではないでしょうか。他の環境に拡張できるテクノロジでしょうか。
実装のコストも重要です。ある種のサービス・ディスカバリ・テクノロジの場合、使用にあたってはロイヤルティやライセンス料金が必要になり、直接費がかさみます。このほか、SDK(ソフトウェア開発キット)料金、開発ツールのコスト、準拠をテストするための費用などがからんできます。
「サービスの発見」という基本機能以外の機能もポイントになります。たとえば、サービスが使用可能状態になっているどうかをプロトコルが判別できるでしょうか。デバイスをサービスにバインドして、互換性のあるセッションを確立できるでしょうか。必要なデバイス・ドライバを検出し、ロードできるでしょうか。
要求されたサービスと提供されたサービスを比較するのはクライアントの仕事でしょうか、それともサービスに任されているでしょうか。クライアント側での比較では、APIより上の各アプリケーションやサービスに作業が任されることになり、コストが高くなります。
できるだけ広い市場に参入し、互換性の問題を最小限に抑えるには、特定のオペレーティングシステムや通信プロトコルに依存せず、複数のプラットフォームをターゲットとしているテクノロジを選択しなければなりません。帯域幅に限界があることも考慮しなければなりません。基本的なディスカバリのためのどれくらいのデータ・トラフィックが必要になるでしょうか。このトラフィックは帯域幅の制限内に収まるでしょうか。
企業レベルではディレクトリ中心型のネットワーク・モデルが支配的なっており、これをインターネットやエクストラネットなどの一般的なネットワークにまで拡張しようとする動きが進行しています。しかし、モーバイルの世界ではアドホックなネットワーキングやピア・ツー・ピアのネットワーキングが使われています。こうしたモーバイルのモデルでは、中央のディレクトリは必要ありません。デバイスとサービスは一対一でネゴシエートし、それぞれの機能をアドバタイズし、自分が必要としている他のデバイスやサービスを発見します。したがって、ディレクトリ・ベースのネットワークとアドホック・ベースのネットワークの両方に対応したサービス・ディスカバリ・プロトコルを選択することが重要になります。
サリュテーションはこれらの基準をすべて申し分なく満たしています。サリュテーションの水準に達するようなプロトコルはほかには存在しません。